大阪小栗の湯-トロンで繁盛する公衆浴場

公衆浴場を活性化させる方法はあるか?

トロン温泉-小栗の湯

【銭湯も湯質にこだわる時代 トロン温泉が銭湯の常識を変える】

 体を洗う場所からくつろぎの場へ、沸かし湯から薬効の湯へ、そして清潔管理から健康増進へ・・・。
準天然トロン温泉を採用した銭湯が超人気です。
効能効果がある湯は、銭湯の常識を覆す勢いです。

 大阪府和泉市が委託管理者制度を採用して建設した銭湯「小栗の湯」は、オープン以降盛況で銭湯としては異例の事態だと言えます。
営業時間は午後4時から夜11時まで1日7時間ですが、多い日で800人、平均で700人近い利用客があるそうです。

【衰退する公衆浴場】
 公衆浴場、いわゆる銭湯はピーク時の1968年に全国17,700か所で営業されていました。
しかし家庭風呂の普及・充実に伴って、減少し、2004年は3分の1の約5,800か所に激減しました。
その原因は、「公共料金」政策に甘んじ、湯そのものの魅力作りの努力を怠ったからではないでしょうか。

いまでも銭湯は、地域住民にとって重要なコミュニティ施設であるが、残念ながら銭湯経営者は時代ニーズの変化に追いつけない状況にあります。

【入浴を楽しんで欲しい】
 「小栗の湯」の最大の目的は、天然温泉を凌ぐ優れた湯をつくり、湯を楽しんでもらうことにありました。
そのために準天然トロン温泉(トロンサウナ)が選ばれました。
その効果が、銭湯の常識を変えようとしています。
浴場の場合、どんな浴場でもオープン当初は、真新しさや珍しさで利用者は多くなる傾向があります。

しかし、ほぼ1か月以内に利用者は減少してしまう施設も多いです。
それは湯に魅力がなく飽きられるからという理由があります。
銭湯の意義が、単に衛生的にするためだった時代と比べ、スーパー銭湯や大型スパ、日帰り温泉が台頭する中で、身近な銭湯にさえ「くつろぎの湯」の場を求める利用者が増えました。
何の効果もない、単なる沸かし湯では、経営が成り立たなくなるのも無理もありません。

【銭湯も湯にこだわる時代】
 これからの銭湯経営で大切なことは、入浴の原点に戻り「湯にこだわること」ではないでしょうか。
それは湯質と効果の高い湯を利用者に提供することに尽きます。
外観がどんなに素晴らしくても、肝心の湯が単なる沸かし湯では人を心から楽しませることは難しいです。
感動する湯を作ることから、銭湯が生き残る道が開けてゆきます。

 「小栗の湯」利用者の声を拾ってみると、「湯質がやわらかく、肌触りが最高の湯」「2時間位は背中がホカホカで、温まり方がまったく違う」「トロンサウナが一番です。50℃であれ程の汗が出るとは思わなかった」「体の痛みが取れ、本当にびっくりです」――利用者は優れた湯質と効果に驚き、満足しています。
(2014年現在はトロンサウナのみ稼働)

常連客が増えてきたこれからが、トロン温泉の本領発揮といえます。